今、『ファンマーケティング』がなぜ重要?
インターネットやスマートフォンが普及していく中、SNSやWEBサイトでの拡散による認知度の向上や顧客の獲得が可能になり、中長期的に自社製品のファンを増やせるファンマーケティングが注目を集めるようになっています。
ファンに対してダイレクトにサービスを提供する、「コンテンツファンD2C市場」を開拓することを掲げている弊社、CDMにも、昨年から出版社をはじめとしたコンテンツ業界各社の編集部・制作部からのファンビジネス、ファンコミュニティに関するご相談が増えています。
しかし、実際に行うには、非常に手間がかかります…。それでもなお、なぜ注目を浴び、皆が本格的にやってみようとしているのか? その理由を弊社CDMの事業統括本部長・織田が登壇したセミナーの内容からご紹介します。
2023年1月16日実施
CCI UPDATE 2023
ファンマーケティングは手間がかかる…それでも続ける4つの理由
登壇者:
栗山朋己氏(株式会社CARTA COMMUNICATIONS メディアソリューションディビジョン コンテンツマーケティンググループ グループマネージャー)
織田 順一 (株式会社コンテンツデータマーケティング 事業統括本部長)
ファンマーケティングの実態
1.手間がかかるファンビジネス
ファンビジネスを行うためには、ファンが集うコミュニティ運営や、ファンが喜ぶサービスの企画が必須です。

中途半端に運営すると、炎上してファン離れにつながってしまうので、非常に手間がかかります。また、すぐに目に見える成果をあげられるとも限らないので、時間をかけて取り組むことも重要です。
2.ファンビジネスの重要性
そんな手間のかかるファンビジネスに取り組むべき理由は、事業全体の根幹として、事業の中心に置くべきものと考えるからです。
ゼロから3年で10%程度成長させたい新規事業や、現状のECの延長として更に10%伸ばしたいという様に考える事業ではなく、事業そのものに100%影響します。
ファンマーケティングを続けるべき4つの理由
それでもファンビジネスをやっていくべき理由とは?
4つの観点からご説明します。
① 必要性の観点:
クッキーレス時代を迎え、運用型広告収入が減少していく中、別の収益源を見つけなければならない
これまで、サードパーティークッキーを使ったリターゲティング広告(推定市場規模1,700億円)が、WEBメディアの広告収入を支えてきました。

例えばあるユーザー(読者001)がアパレルA社ECサイトでTシャツを閲覧。そのCookieをアドネットワークに送信し、読者001が後日メディアサイトBを訪れた際にアドネットワークが来訪を認識。メディアサイトBにA社ECサイトで閲覧した商品の広告を表示させ、読者001が広告を介してECサイトAを再訪。
上記を何度も繰り返すことで、最終的に読者001はECサイトAでTシャツを購入するという仕組みです。
ところが、近年規制の強化によってサードパーティークッキーが排除され、今後リターゲティング広告はほぼ不可能になっていきます。

読者001がA社ECサイトでTシャツを閲覧し、その後メディアサイトBに来訪しても、
サードパーティークッキーがすぐに消えてしまうため、メディアサイトBへの来訪を認識出来ず、サイトBのページでA社の広告も表示されません。結果、購入にも繋がらなくなってしまいます。
このように、運用型広告に頼るWEBメディアの収益は悪化しており、新しいマネタイズの方法が必要とされているのです。
② 実現性の観点:
コンテンツビジネスは、もともと熱量の高いファンがいる
コンテンツビジネスにはもともと多くのファンに支えられてきました。文芸やマンガなどのフィクション系コンテンツに限らず、ファッション誌や週刊誌などのノンフィクション系コンテンツを扱う媒体についても、多くのファンがいます。しかも、ファンが自主的に集まって読書会や飲み会などの小規模イベントを開催したり、「聖地巡礼」と称して全国各地を旅するなど、活発なファンコミュニティが自然発生しています。
すでに存在しているアクティブなファンの力を、コンテンツビジネスに活用したいというのは、実現性の観点からみても自然な流れといえます。
③ メリットの観点:
新しいマネタイズの手段を得る
これまでのコンテンツビジネスでは、SNSやWEBメディア、雑誌を通してファンにコンテンツを提供し、広告収入や販売収入を得ていました。しかし、運用型広告の収益悪化、雑誌の販売収入低下は顕著です。
それを脱却し、これまで培ってきたファンを記憶し、ファンに対してD2Cビジネスを展開することによって、その先の事業収入、新たな広告収入も見えてくると考えます。

④ 可能性の観点:
データ活用とグローバル展開
D2Cサービスは、集客と同時にファンを覚えておく記憶装置としても機能し、後ろに控えるマネタイズ装置の効果最大化を狙うことが可能です。
例えば、Disney+では月額990円で動画配信サービスを行なっていますが、これを集客装置としてエントリープライスで会員を集め、記憶装置として会員データを記憶、蓄積しています。そのデータをコンテンツやグッズ制作、テーマパークのアトラクション開発等に活用し、パークチケットやグッズ売上などのマネタイズ装置の収益性向上につなげています。
同様にAmazon Prime Videoも、月額500円のPrime会員特典として動画配信サービスを実施。この会員データを活用して、最終的には物販収入拡大に繋げています。
世界40億人がスマートフォンを利用している現在、コンテンツをスマートフォンに直接配信するD2Cこそが最も効果的なグローバル展開の方法であると言えます。さらに、コンテンツ配信をD2Cで行うことによって、コンテンツで収益を得るだけでなく、ファンの行動データを獲得し分析することで、他のマネタイズ装置の収益性向上の材料として活用するようになっています。
CDM社サービスのご紹介
CDMでは、コンテンツビジネスに必要な3つのサービス「Uniikeyz」を提供しています。
1.コンテンツビジネス特化型IDサービス Uniikey

安全、安心、すぐに使えるファンを覚えておく仕組み
Uniikeyは、ファンを覚えておくデジタル台帳。
個人情報管理を最高のセキュリティで、コンプライアンス対応もバッチリです。
2.コンテンツビジネス特化型データベースマーケティング Uniikey Experience Cloud

ファンとのコミュニケーションをもっとスマートに
ファンひとりひとりにぴったりなコンテンツや、耳よりの情報をお届けでき、結果を分析できます。エンジニア向けにAPIも用意しています。
3.コンテンツビジネス特化型オンラインストア基盤 Uniikey D2C Cloud

ファンビジネスをたった1つのサイトで
ファンビジネスをすぐに始めましょう!
オリジナルグッズ、サブスク、会員限定コンテンツ、オンラインイベント、リアルイベントチケット、NFT…すべて販売できる基盤を提供します。
Uniikeyzが、会員登録からデータ構築、サービス提供までワンストップで、コンテンツファンD2Cビジネスをしっかりサポートします。
最後に、再度ファンビジネスの重要性
広告主は「ファンベース」「エビデンスベース」のマーケティングの重要性を認識、あるいはすでに実践しています。

日本の人口減少と市場の成熟化に伴い、既存顧客を重視する「CRM」が浸透しています。ファンビジネスは、CRMの考え方の延長にあるものです。ブランドを好み、宣伝することなく買い、まわりにも勧めてくれるファンを重視した「ファンベース」と、オウンドメディアやECサイトで得たデータを分析し、マーケティング施策を改善する「エビデンスベース」のどちらも実現することが、ファンビジネスのあるべき姿です。
CDMは、Uniikeyzのサービスを通して「ファンベース」「エビデンスベース」の両立をサポートし、ファンビジネスに取り組む皆様に寄り添い、伴走しています。