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CIAM導入後に想定外のコストが発生した事例:原因と回避策を解説

CIAM導入を検討されている方へ
自社でサービスサイトを持つ企業では、会員ユーザーをどのように管理していくかにおいてCIAM(Customer Identity and Access Management)製品の導入は必須です。ただ、CIAM製品はユーザー管理やセキュリティ強化に役立つ一方で、十分に要件定義がされていないと導入後に予期しないコストが発生する可能性があります。これらのコストは、初期の計画や準備不足、または製品への理解不足から生じることも少なくありません。
本記事では、CIAM導入を進める中で予期しないコストが発生する事例とその原因、回避策について解説します。
目次
1.予期しないユーザー増加によるスケーリングコスト
2.要件定義不足によるカスタマイズ費用の予算超過
3.導入後の運用コストの増加
さいごに
1.予期しないユーザー増加によるスケーリングコスト
事例:急激なユーザー増加による追加コスト
当初の見立てでは数千人規模のユーザーを想定していたものの、CIAM製品の導入後キャンペーンや新サービスにより急速にユーザー数が増加した。当初の課金プランでは対応できなくなり、想定外の追加コストが発生した。
原因:
- ユーザー数増加を見越したスケーリング計画の不足
- ユーザー数の規模と増加のスピードに製品の課金体系が見合っていなかった
回避策:
- スケーラビリティを重視したプラン選定:急激な増加に対応できるプランを選ぶ
- リソース監視の強化:トラフィックの変動を早期に察知し、追加対応を講じる
ユーザー数増加のコントロールは難しく、特にスケーリング計画は立てにくいものです。CIAM製品の中でも、ユーザー数に対する課金方法はいくつか存在します。純粋に累積のユーザー数の規模に応じた課金体系もあれば、実際にログインしたユーザーだけをカウントする課金方法もあります。ユーザー数のスケーリング計画を立てにくい場合は、「MAU課金」が推奨されます。MAUとは”Monthly Active User”の略称で、月あたりのアクティブなユーザー数を示します。つまり、月あたりで実際にサービスサイトにログインしたユーザーだけを課金対象としてカウントし、サイトを訪問していない/訪問したけれどログインが無かったユーザーはカウントせず課金対象外となります。
ユーザー数の推移が不透明な状態でのプラン選定を避け、必要に応じた課金にとどめるにはMAU課金を採用する製品を選ぶと良いでしょう。
2.要件定義不足によるカスタマイズ費用の予算超過
事例:独自要件による追加開発費用
CIAM製品を標準機能以上にオプションを付けカスタマイズした。予算との兼ね合いで、本来なら標準機能の範囲内で収める必要があったが、追加のオプションを積み重ねることで予算は超過。さらにはユーザーインターフェイスの変更や、ECサイトやチケットショップなどの外部システムとの統合などのカスタマイズを実施し、想定以上に時間とコストを消費した。
原因:
- 製品の標準機能とオプションの差分の理解不足
- コストと機能のバランスを最適化した要件定義ができなかった
回避策:
- 要件定義の明確化:最初に必要な機能を絞り、標準機能で対応できる部分を見極める
- 段階的なカスタマイズ:最小限のカスタマイズで開始し、必要に応じて追加する
新しいサービスを導入する時は、やりたいことが多く、機能を追加したくなることがあります。本当に必要な機能なのかを吟味せず、要件をあげたもの全てを実現するにはその分コストが発生します。標準機能の範囲と内容を理解し、やりたいことと予算のバランスを考えることでコストを抑えることができます。要件定義の段階で、コストをかけてでも本当に必要な機能かを見直しすることは必要です。幅広くできることがある一方で高いコストとなるのか、機能を絞りコストを抑えるのかの議論は不可欠です。
3.導入後の運用コストの増加
事例:手動での運用管理がコストを押し上げ
CIAM製品に限らず、一からスクラッチで開発された製品を導入した場合は、その製品が唯一無二となるため迅速なサポートを受けづらくなることがあります。導入後の有事の際にサポートの対応が遅れることで、運用に関わる人手とコストが増加する可能性があります。
原因:
- 導入後の運用を見据えた計画ができていなかった
- 標準サポートの範囲と内容の把握不足
回避策:
- 導入後の運用工数の試算:導入後をイメージし、日々の運用をシミュレーションし、必要に応じた人員配置を計画する
- サポート内容の把握と有事の際の対策の検討:導入後の運用を見据え、有事の際の対応パターンを複数のシナリオで想定し、それに基づいた対応フローや手順を整備
SaaS(Software as a Service)製品では、サポートを受ける前に自分で問題の解決を目指すユーザーのために、製品の使い方、トラブルシューディングガイド、よくあるご質問などの情報をまとめたドキュメントを豊富に揃えているものが大半です。顧客がSaaS製品を最大限に活用するためのチームのリソースを持っていることもあります。スクラッチで一から開発することと、汎用的に活用可能なSaaS製品の違いも導入時の検討材料の一つです。
さいごに
株式会社コンテンツデータマーケティングではSaaSのCIAM製品「Uniikey(ユニーキー)」を用意しています。ご提案段階から、CIAM導入で実現したいことを丁寧にヒアリングし、要件定義の擦り合わせの期間も十分に確保し、伴走いたします。導入実績を積み重ねる中でヘルプドキュメントやナレッジもたまり、迅速なサポート体制も整えております。CIAM製品の導入をご検討の場合、ヒアリングした結果による最適解を提案いたします。
CDMブログでは、今後も引き続き「新Uniikey」や「CIAM」に関する記事をUP予定です!
「Uniikey」の機能について、詳しくはこちらをご確認ください。また、製品にご興味があったり、話を聞いてみたい!という方はぜひフォームからお問い合わせください。