2025.04.17
CIAM情報

SaaS CIAMの導入ステップ:POCからロールアウトまでの期間とマイルストーン(後編)

前編では、SaaS CIAMの導入に向けた準備フェーズ、POC(概念実証)フェーズ、計画・設計フェーズまでのプロセスを紹介しました。後編となる本記事では、実装フェーズからロールアウト、そして運用・最適化フェーズまでのステップを解説します。システムの本格導入に向けた開発やテストの進め方、スムーズな移行のポイント、導入後の継続的な改善まで、成功に向けた具体的なアプローチを紹介します。▶︎前編はこちら

SaaS CIAM導入プロセス

1.準備フェーズ(〜2か月)
2.POC(概念実証)フェーズ(1〜2か月)
3.計画・設計フェーズ(1〜3か月)
4.実装フェーズ(2ー4か月)
5.ロールアウトフェーズ(1〜3ヶ月)
6.最適化・運用フェーズ(継続的)

さいごに

後編では4-6を紹介します。(1-3は前編


4. 実装フェーズ(2〜4か月)

このフェーズでは、計画・設計に基づいて開発環境、検証環境でのカスタマイズやテストを行います。安定した運用のために、検証とフィードバックを段階的に入れながら進めることが重要です。

環境構築

  • 本番環境の構築
  • 検証環境から本番環境に反映
  • 監視・ロギング環境の構築

開発・カスタマイズ

  • ユーザーインターフェースのカスタマイズ
  • APIを活用した連携開発

既存のメディアサイトやウェブサービスへの組み込み

  • 会員登録・ログイン機能の統合
  • 認証・認可周りのUI/UXの整合性の確保
  • サイト側のセッション管理・Cookie制御との連携

テスト

  • 単体テスト
  • 統合テスト
  • ユーザー受け入れテスト(UAT)
  • セキュリティテスト(脆弱性診断など)

このフェーズではアジャイル開発手法を採用し、と短いサイクルでフィードバックを得ながら進めると効果的です。この過程を踏むことで、導入後のユーザー体験の最適化に結びつきます。


5. ロールアウトフェーズ(1〜3ヶ月)

本番環境での運用を開始する前に、段階的な展開を重ねながら最終調整を進めるフェーズです。

段階的ロールアウト

  • 機能別の段階的リリース
     影響範囲が狭く、リスクが低い機能から展開
  • トラフィック量による段階的移行
     ユーザー数を段階的に増やしながらテスト実施

ユーザーコミュニケーション

  • 事前の変更告知
     登録フローなど分かりやすい説明を提供
     既存の会員基盤からの移行の場合、移行手順や変更点について告知
  • ヘルプコンテンツの整備
  • サポート体制の整備

このような取り組みを通して、エンドユーザーの混乱を未然に防ぎ、スムーズなロールアウトを実現します。


6. 最適化・運用フェーズ(継続的)

CIAM導入は、ロールアウトが終わりではありません。継続的な最適化と運用が求められます。

パフォーマンス最適化

  • スケーラビリティの検証と調整
  • コスト最適化のためのリソース調整

セキュリティ強化

  • 定期的なセキュリティレビューと対応
  • 新たな脅威や法規制への対応
  • コンプライアンス対応の更新
  • プライバシーポリシーの定期的な更新

運用の効率化

  • 問い合わせ対応の最適化
     FAQ整備、問い合わせが多い機能への補足対応
  • 継続的なユーザビリティ向上のための施策

CIAMの運用を安定化させることで、ビジネス価値の最大化を目指すことができます。


さいごに 成功するSaaS CIAM導入のポイント

SaaS CIAMの導入は、検討期間を含めると通常は6か月〜1年程度の期間を要するプロジェクトとなり、進行上のポイントは以下の通りです。

  • 明確な目標設定: 技術導入だけでなく、ビジネス目標と一貫した運用が重要
  • 段階的アプローチ: 価値の高い機能から順に実装
  • ユーザー中心設計: 顧客体験を最優先に
  • 部門を横断した体制: ITや情報システムの部門だけでなく、マーケティング、法務、ビジネス部門と連携する
  • 柔軟性の確保: 将来の変化に対応できる拡張性を考慮

株式会社コンテンツデータマーケティングではSaaSのCIAM製品「Uniikey(ユニーキー)」で、と”統合ID”や”会員基盤構築”などの課題解決に向けた取り組みをパッケージでご提供いたします。少しでも気になる部分があれば、ぜひご相談ください。

CDMブログでは今後も引き続き「Uniikey」や「CIAM」に関する記事をUP予定です!

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